













危険運転致死傷罪の総合的研究 〜重罰化立法の検証〜
(日本評論社)
定価3,990円(税込)CD-ROM付
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座談会
インターロックその1(07.5.7)
A インターロックについて座談会を開きたいと思います。インターロックというのは、車に乗るときにアルコールを検知すると車のエンジンがかからなくなる装置をいいます。このインターロックがあると飲酒した人が車を運転しようとしても物理的に運転できなくなります。従って、飲酒運転の防止に非常に効果があることになります。
米国では飲酒運転常習者に装置の搭載を義務づける制度が広がっています。日本でも最近ようやく注目を集めだしました。NPO「MADD Japan」などNPO団体がインターロックを車へ搭載することを義務づけるよう求めています。
B 昨今飲酒運転に絡んだ交通事故がマスコミに非常に多く取り上げられるようになっていて、方向としては厳罰化に進んでいるんだけど、果たしてそれで問題は解決できるのか。そもそも論として、私は、飲んだら車を走れないようにするということ自体が抜本的解決に繋がるんじゃないのか、という問題意識をもっています。
C あの私なんかはね、こんなのすぐやればいいんじゃないかと思うんです。しかし、実際の導入自体がなかなか日本で進まないというのは、導入自体を妨げる要因がいくつかあるんじゃないのか。
D そうですね。このNPO「MADD Japan」というのは、少し活動歴のある、要するに地道にこの活動してる団体で、いわば本部っていうんですかね、世界本部っていうんですか、アメリカにあるんですよね。この団体の理事長は飲酒運転事故でお嬢さんを亡くした体験を踏まえて日本支部を設立された。
私はね、今Cさんが仰った、実行できない実態の中に何か障害があったのかという議論ですけども、あったと思うんですよ。で、それは何かというと、こういう問題意識に対して、警察が非常に消極的である。
警察は、ドライバーが注意して飲酒運転をしないようにする、その自制っていうんですか『セルフコントロール』ということが飲酒運転を撲滅する決定的な鍵だというふうに考えてる気配がどうもあります。そうするとハードの側から飲酒運転をできない状態を作るということはドライバーにまず期待しないということだから、ドライバーに注意を喚起するという議論から離れていくという意味において、警察はあまり賛成しない。反対とはいわないけれども。どうもインターロック問題に対しては、ドライバー本位主義っていうんですかね、ドライバー本位で考えていく発想とは違うという見方が警察の中に長きにわたってあったんじゃないかという気がしています。
で、それが今回平成18年8月の福岡の飲酒運転死亡事件で凄い議論が沸きあがって飲酒運転どうしたらいいんだって議論がたまたま日本でされてくる中に、処罰を強化するだけでは解決にならないんじゃないかって議論が出てきた。ハードの側から予防する方法はないだろうかという議論が出てきたら、地道な取り組みをしている人たちが実はいた。諸外国ではもっと先行して行われているらしい。こういうことがようやく論議されるようになって、まあ私の言葉で言えば「遅まきながら」、本当「遅まきながら」日本でもこういう議論がマスコミでも言われるようになった。基本のところには警察の消極姿勢がこういう状況を作ったのではないかというふうに私は思ってるんですけどね。
C なんかその、警察はドライバーに注目しなきゃいけないと、機械じゃなくて人を自制するようにもっていかなきゃいけないという理由って何かあるんですか?
D 日本の警察がもつ交通安全暦年の精神的な思想でしょうか。「哲学」というか、ドライバーを注意することによって危険な状態を排除するっていう考え方にもう徹している。
C でもそれはおかしいですよね。何の実証的な根拠もないわけであって。注意したらいいんだといったって、いくら注意しても交通事故はなくならないわけで。それは突き詰めて考えれば既に事実によって否定されているんじゃないのかと思うわけですよ。
D あの、トヨタもこのインターロックについては研究しているようです。インターロックって言っても、方式が少し違うんですけどね。飲酒を検知してエンジンがかからなくなるんじゃなくて、お酒を飲んでる人の視線の動揺とか、或いは指の動き、汗の発汗の成分とかね、そういう飲酒検知っていう形ではない飲酒状況の把握、そういう特性把握をしてね、その人の目の瞳の動きとか、或いは発汗の状況とか手の動きとかそういうものが、ある程度酒を飲んでる状況ではなかろうかというふうに思えたときには車が止まる、という構造を追求してるらしいですね、トヨタは。
E それは一端動かしたあとに止まるんですか。
D 技術的なことはちょっとわからないんですけども、それもハードの側からの対応ではありますよね。メーカーがハードの側からの対応しようという、つまりドライバーに依存しない方向を指向しているという意味ではインターロック、ある種のインターロックと言っていいんだと思います。
メーカーがようやく動き出したのはですね、警察が消極的であるにもかかわらず、この平成18年秋以降のあの飲酒抑止のキャンペーンが立ち上がるエネルギーを与えたっていうかね、警察の消極姿勢を乗り越えて、メーカーがそれを言い出しても非難されない。つまりメーカーは非難されるかもしれないという恐れを持っていてですね、ドライバーの注意力喚起ということにメーカーが一生懸命ではないなどということを言われるとマイナスだとメーカーも思って及び腰だったのがですね、どうやら警察は消極的だが、世の中はその方向を支持してくれるようだということで、重い腰を上げたという感じなんですよ。
諸外国ではどんどんやってるわけだから、日本も追求しようとすればいくらでも先進技術が諸外国にあるわけですよね。そういうところから学びながらやれば、日本の今の自動車工学っていうか自動車工業技術からすれば、なんのこともないんですよ。もっともっとすごい、運転していて危険な人間の動きがあったら熱線把握でどうするとかね、えらいことを今考えているくらい、日本独自のものがたくさんあるんですよね。だからやる気になったらやれることなんですよ。
C これやるんだったら法律で規制しないといけないですね。いわゆる車検のように、標準装備としてインターロックをつけていないと販売できないというぐらいまで持っていかないといけない。
F まったく私も同意見です。
(次回に続く)
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現在鋭意執筆中です。ぜひご期待ください。
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